中札内の茶屋 / 2008













十勝地方の中札内村にある「六花の森」という公園に、小さな茶屋を設計するプロジェクトがありました。広大な公園内には、緩やかな丘や小さな池、土地の草花が植えられた花壇や林などがあり、歩きまわるのがとても楽しくなる場所です。
私たちは公園のほぼ中央にある林のなかに、木々に寄り添うようにして建つ、大小の切妻屋根をもった茶屋を考えました。茶屋の外観は真っ白なので、緑いっぱいの林の中で静かに目立つランドマークになりますし、季節ごとに変化していく木々の背景となって自然の彩りを際立たせるでしょう。また建物の内部は、テント製の屋根から外の光が柔らかく降り注ぎ、樹木の葉の影に包まれる涼やかな居場所となっています。天井いっぱいに映り込む影は風が吹くとゆらゆらと揺れ動き、まるで空間全体が風を響かせているような効果をもたらします。
公園に来た人々が自然をたっぷり堪能したあとで、たゆたう光や影に変換されたもうひとつの自然の姿にゆっくりと身を任せる。そんな木陰の茶屋を考えました。

用途:   茶屋(設計競技)

所在地:  北海道中札内村

延床面積: 32.5m²

撮影:   佐々木夕介(gl)

*六花の森 Tea House Competition 提出案



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