パッチワーク展の会場構成


霧のなかの動物・植物たち

古布(着物やアンティークの布)を使ったパッチワーク作品の展示会場をデザインしました。作品のモチーフやサイズが色々あるので、ここでは「歩きながらそれぞれの作品と出会うスペース」をコンセプトとして、動線をゆるくコントロールする会場構成を考えました。
そのための材料として、農協などで手に入る農業用不織布を使っています。不織布が持つ透明感や軽さは作品を引き立てつつ魅力的な展示空間をつくるきっかけになりそうでした。まず、不織布を会場に何枚も垂らしてジグザグした動線をつくりました。この布の形がラウンドしていたり、半透明の布が重なりあって色んな見え方が生まれたりして、展示室の中はまるで雲や霧の中のような雰囲気となりました。植物や動物が登場する物語的なパッチワーク作品の雰囲気とも合っています。また、不織布はとっても軽いので、人がそばを通ると布も一緒にふわりと動きます。柔らかく漂う空気のような布が人の歩みと一緒に動き、会場全体が常にゆらゆらと動いているような、ゆっくりとした時間の流れを感じられる空間となりました。
用途
会場構成
展覧会
高嶋康子パッチワーク展
会場
北海道札幌市東区本町1条1丁目8-27 茶廊法邑
延床面積
63.20m²(19.08坪)
撮影
佐々木 夕介