室蘭工業大学のカフェテリア


まるい家具がつくる地形

室蘭工業大学の大学会館内のリノベーション。計画段階から「室工大カフェプロジェクト」として地域住民や学生を含めたワークショップが開催され、カフェのコンセプトやイメージについて議論が重ねられた。その結果、レクチャーや展示などのイベント利用やサークル活動、地域住民が子供連れで楽しむなど、学生や教員の飲食にとどまらない、多様な活動・交流のプラットフォームとなる開かれた場の創出が求められた。
まず、計画部分の既存の間仕切壁や建具、天井や床の仕上を撤去し、カフェスペースを開放的で明るいロビーのような空間とした。そこに様々な直径のベンチ(H=400)、テーブル(H=700)、カウンター(H=1000)をレイアウトした。たとえばベンチは縁台として子供連れに対応したり、カウンターは立ちながらの飲食などに利用する。ベンチとテーブルは可動式で、自由にレイアウトを変えることでレクチャーなどのイベントが可能となる。
大小のOSBの円盤が重なりながら連なるインテリアは、庭のような不思議な風景であると同時に、利用する人同士の微かな関係性を生むきっかけにもなっている。
用途
カフェ(リノベーション)
所在地
北海道室蘭市水元町
延床面積
196.05m²(59.19坪)
設計
gl(基本設計・実施設計・監理)、室蘭工業大学施設課(実施設計・監理)、621(家具・什器)
施工
株式会社 川田建設工業(建築)/ 株式会社 藤屋(電気)/ 高橋衛生工業 株式会社(設備)/ 621(家具・什器)
撮影
古瀬桂 GAZE fotographica
店舗 
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掲載
商店建築 2023年4月号 / 商店建築社
北海道建築作品発表会作品集2023 Vol.43 / 日本建築学会北海道支部